こんにちは!静岡市駿河区新川のセントラル歯科クリニックです。
今回は前回の続きでMTAセメントの適応範囲についてお話したいと思います。
1.MTAセメントの適応範囲
MTAセメントは、以下のような歯科治療に適用されています。
(1) 根管治療
根管治療では、歯の神経を取り除いた後、MTAセメントを使用して歯の根管を充填します。MTAセメントは、優れた封鎖性と抗菌作用があるため、再感染のリスクを軽減することができます。
(2) 直接・間接歯髄覆髄
虫歯が進行し、歯髄に近い状態の場合、MTAセメントを使用して歯髄を保護し、その上にレジンなどの充填材を使用して治療を行います。MTAセメントは、歯髄細胞の再生を促進し、歯の治癒力を高める効果があります。
(3) 外傷性歯髄露出治療
外傷により歯髄が露出した場合、MTAセメントを使用して歯髄を保護し、その上にレジンやぐラスアイオノマーセメントなどの充填材を使用して治療を行います。MTAセメントは、生体適合性が高く、歯髄細胞の再生を促進する効果があるため、歯の回復が期待できます。
(4) 根尖切除術
歯の根尖部に感染が広がり、根尖切除術が必要な場合、MTAセメントを使用して感染部位を封鎖し、その上にレジンなどの充填材を使用して治療を行います。MTAセメントは、抗菌作用があり、感染を防ぐ効果があります。
5) 再根管治療
根管治療後に再感染が起きた場合、MTAセメントを使用して再根管治療を行います。MTAセメントは、優れた封鎖性と抗菌作用があるため、根管内の感染源を除去し、再感染のリスクを低減することができます。
(6) 穿孔部のリペア
何らかの原因で歯牙に穿孔が認められた際は、本来では歯の保存が難しい状態ですが、MTAセメントを用いて穿孔部を適切に封鎖することで、歯の保存をすることができます。
このように、様々な適応範囲があるMTAセメント。
次回はその利点についてもお話したいと思います。